最近の日本では、検索エンジン以外にソーシャルメディアを使った検索が増えています。
これによって「Googleの検索エンジンが近い将来なくなるのでは?」といった声が聞こえてきます。
しかしボクはGoogleに検索エンジンはなくならないと考えています。

その理由の一つが音声検索です。
今後はこの音声検索が重要な役割を果たすようになってくると考えているからです。
そこで今回は、音声検索が将来SEOに加味されるようになっていくというお話をしたいと思います。
目次
今後間違いなく増えてくる音声検索
『OK Google』
このフレーズで有名なGoogleが発売しているスマートスピーカーに『Google Home』があります。
スマートスピーカーはGoogle以外にも大手IT企業各社が発売しています。
- Google Home
- Amazon Echo
- LINE Clova WAVE
- Apple HomePod
最近ではスマートスピーカーの広告があらゆるところで見られるようになってきました。
ところが日本ではまだそれほど利用者が多くないせいか、世間一般に浸透するにはもう少し時間がかかりそうな気配があります。
しかし驚くべきことに、アメリカではすでに1億1800万人がスマートスピーカーを利用しているようです。
さらにアメリカではこのようなデータもあります。
- 大人の5人に2人(40%)は少なくとも1日に1回利用している
- 2020年には全検索の50%がキーボードからマイクへと移行される
またアメリカのGoogleは、Androidによる検索の20%が音声検索であると発表しています。
それによって今年後半にリリースが予定されているGoogleアシスタントを、現在よりも10倍高速にする予定だということです。
日本ではまだ馴染みがなくても、今後3年以内に音声検索が日常生活に入ってくる可能性は十分に考えられます。
ではもし日本で音声検索が入ってきたら、それによってSEO対策が大きく変わる可能性が出てきます。
今回はアメリカで、現在の検索エンジンと音声検索の関係性を調査した研究があったのでそれをご紹介したいと思います。
SEOの音声検索に関する調査結果
アメリカのウェブサイト『SEMRush』は、音声検索の回答と検索結果の関係性について調査しました。
この調査では、Googleアシスタントを使用している3つの異なるデバイスを使っています。
- Google Home (スマートスピーカー)
- Google Home Mini (スマートスピーカー)
- Xiaomi Redmi 6 (スマートフォン)
『SEMRush』は、5万件を超えるクエリを詳細に分析し、音声検索は検索結果における何を重要視しているのかを調査しています。
その主な調査結果を項目ごとに分けてご紹介します。
調査1:ランキング上位と回答の関係性
まず基本的にGoogleアシスタントは、オーガニック検索の1ページ目から答えを持ってきて音声で回答しているということです。
Androidデバイスは回答全体の約93%が、Google Homeは全体の約98%がトップページからのものです。
しかもトップページの上位にあればあるほど回答として使用される可能性が高いです。
以下はデバイスおよび検索順位ごとに使われている割合を表したものです。
この割合を見ると検索結果1位が回答として使用される確率が最も高く、Google Homeでは全体の40%になっています。
つまり現在のSEO対策のように、上位にいればいるほど音声検索でも有利になるようです。
調査2:文字の読みやすさ
Googleアシスタントは、オーナーから求められた質問に対して答えを読み上げることになります。
そのため音声検索の場合、文字の読みやすさも重要視されているようです。
つまり音声検索の答えは、聞いて理解しやすいものになっています。
『SEMRush』によると、平均して15歳の子供が理解できるレベルの回答が使われているということです。
- 専門用語や業界用語
- 難しい言葉
記事の中にこのような言葉を多く使用していると、『音声検索の答えとして相応しくない』と判断されてしまう可能性があります。
もし今後音声検索が主流になった場合、難しい言葉が並んでいるサイトは徐々に淘汰されていく可能性もあります。
サイトの特徴にもよりますが、質問に対してなるべく簡潔に答えてあるページが高い評価を受けることになるかもしれません。
調査3:ページの読み込み時間
現在でもページの読み込み速度というのは、Google検索のアルゴリズムにおいて重要な役割を果たしています。
もちろん読み込みが遅いよりも速いページの方がSEO対策としては断然有利です。
そしてそれは音声検索でも変わらないようです。
『SEMRush』によると、ユーザーに情報がより迅速に伝達される必要があるため、コンテンツの読み込み速度が速いほど音声検索の認識が高まることがわかっています。
音声検索は早く答えを提供したい=読み込み速度が大事
つまりページスピードのパフォーマンスは、音声検索用に最適化する際の重要なポイントの1つであるということです。
ですのであまりにもボリュームの多くて読み込みが遅いページにおいては、将来的に音声検索SEOにおいては不利になる可能性があります。
調査4:リンク
Google HomeやGoogle Home Miniなどのスマートスピーカーの場合、リンクが付いたアンカーテキストが重要視されるようです。
回答の50%以上には、質問に出ているキーワードがリンク付きアンカーテキストやページタイトルに含まれていたということです。
ただしAndroid(スマホ)の場合には、その数値が下回っているため、スマートスピーカーと比べてそれほど重要視されない傾向にありました。
また3つ全てに共通しているのは、回答に選ばれたページには画像リンクが少なかったことです。
これはおそらく、画像を加えることによる読み込みスピードが関係しているのではないかということです。
おまけ
Googleアシスタントが音声検索の回答に使用したことによって、そのURLとページの品質スコアがわずかに上がったということです。
そのため音声検索がSEOに加味されるようになれば、より音声での回答によって使われるサイトやページが有利になる可能性もあります。
なお今回の調査では、現在のSEO対策で有効だとされるhttpsやURL(ドメイン)と音声検索の関連性は見られなかったようです。
最後に
今回はあくまでも調査したというだけなので、Googleの公式のものではありません。
しかし将来はSEOも違った視点から対策することが求められる可能性があります。
すでに販売されているスマートスピーカーは、家電に比べてそれほど高価なものではありません。
日本でも音声検索の精度が増していけば、スマホやタブレットのように日常生活に入り込んでくる可能性は十分に考えられます。
もしそうなったときには、今のSEO対策に音声検索の要素も加味されることになるのかもしれません。