雑談

【心理学の観点から】なぜ携帯電話の料金プランは複雑なのか

最近NTTドコモが新しい料金プランを発表したことが話題になりました。

官房長官による「4割程度下げる余地がある」という発言を受けて、ドコモが料金を2割〜4割を下げるための新プランとして発表しました。

ところがネット上では全く料金が下がっていないと多くの批判が集まっています。

また携帯電話の料金プランの複雑さはそれほど変わっていないように思えます。

ではなぜ携帯電話の料金プランはどの会社も複雑なのでしょうか。

そこで今回は、心理学の観点からなぜ携帯電話の料金プランは複雑なのかについてお話したいと思います。

なぜ携帯電話の料金プランは複雑なのか

 
普通どんな商品であっても、料金プランはもっとシンプルです。

ですので携帯電話も頑張ればもっとシンプルなプランにできるはずなのです。

ところが頭の良い人たちが集まっているにもかかわらず、いつの時代もプランの複雑さは一向に変わることがありません。

そもそも2割〜4割値下げを本当にするのであれば、それぞれみんなの請求書の合計金額から2割なり4割なりを引けば済む話です。

でもそうしないということは、わざとプランを複雑にやっているとしか思えないわけです。

まず前提として、携帯電話が他の業界と違うのは、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社による事実上独占状態である市場ということです。(これを寡占と言います)

ですので3社しか携帯電話の通信インフラを提供していないわけですから、各社は無理やり料金を安くする必要がないのです。

ましてや今後5Gへ数千億円規模の設備投資を行う必要があるため、料金を安くしたいと考えているとは思えません。

しかし政府からもっと料金を安くしろと言われたため、「とりあえず見せかけだけでも安くしておくか」と考えたのではないかとボクは想像しています。

携帯電話の料金プランが複雑なのは比較されないため

携帯電話の通信業界が3社による独占状態であることに加えて、この業界は差別化しにくいという欠点があります。

というのもドコモ、au、ソフトバンクが差別化できるのは、電波のつながりやすさと付随するサービスくらいです。

端末は他社メーカーが提供しているものですし、ドコモ、au、ソフトバンクのどこでiPhoneを買っても同じものです。

そしてここが大事なのですが、これらの点から以下のことが言えます。

差別化が難しいということは、消費者は価格の安さだけで選んでしまう

例えば携帯電話各社の料金プランが超シンプルで、以下のようなプラン一つのみだったとします。

このようなプランであれば、おそらく誰しもが最も料金が安い『d社』を選ぶはずです。

なぜなら3社を比較して圧倒的に安いからです。

このように心理学的には、人が何かを購入する時には他社の料金と比較するものです。

すると『a社』と『s社』は、『a社』に顧客をたくさん取られるのを黙って見ているわけにはいきません。

それならばと料金で負けないように、a社は1,8000円〜、s社はさらに安く1,500円〜にするかもしれません。

このようにして本来は業界内で競争が起こるはずなのです。

しかし通信インフラを提供しているのはこの3社しかないため、それならば競争しないでお互いの歩調を合わせた方が安くしないで済みます。

安くするということは、それだけ各社利益を削ることになるからです。

しかし独占禁止法もあるため、表立って料金を安くしないとは言えないわけです。

その結果、ユーザーに料金プランを比較されないようにするために、お互いが個性を出しているフリをして複雑にしているということです。
 

ポイント

料金プランを複雑にしているのは他社と比較されて価格競争が起こらないようにするため

私たちはどのようにしてキャリアを選べば良いのか

 
携帯電話業界は3社しか選択肢がない上に差別化が難しいことから、比較されると必ずユーザーは安いところを選んでしまいます。

だから各社は料金プランを毎回変更するものの、複雑さはそのまま変わることはありません。

そのため私たちが最も安い料金プランを選択するために一番良いのは、各社全ての料金をシミュレーションすることです。

でも実際にはそんな人ほとんどいないわけです。

最近毎日暇しているボクですらやらないのに、ましてや毎日朝から晩まで働いている人がそこまでするはずがありません。

人は何でも比較して検討したい性質を持っていますが、複雑で面倒なものは比較しないのです。

結局のところ、『考えるのも面倒だし、とりあえず今のところでまぁいっか』となるわけです。

これを心理学で言うところの、『現状維持バイアス』と言います。

携帯料金を4割安くするなら、請求書から一律で割引すれば良いことです。

しかしわざわざプランを変えて割引しているように見せかけるのは、

複雑なものを考えてまでわざわざプランを変えない人が大勢いるからです。

つまりキャリア各社は複雑なプランにすることで、このユーザーによる『まぁ今のままでいっか』を狙っているわけですね。
 

ポイント

人は面倒なことをするくらいなら現状維持を選んでしまう

よってキャリア各社は安定した利益が保たれるということです。

まとめ

 
料金をなるべく安くすると表立って言っているキャリア各社ですが、皮肉にも3社の思惑は一致しているわけです。

ですので各社の料金を比較されないために、おそらく今後発表されるであろうプランがシンプルなものになることはないだろうと思われます。

楽天が4社目のキャリアとして加わることが決定していますが、楽天の出方次第では3社のプランがさらに安くなる可能性もあります。

しかしお互いに差別化が難しい以上、『個性』と言う名の下に複雑なプランは変わらないとボクは思います。